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propose






桜並木の道に風が吹いて桜が美しく散る。

頭上でひらりひらりと薄ピンクの花弁が舞う。

その美しさゆえか、2人は足を止めて桜の木を見上げた。





アリス学園を卒業して4年。

2人が同棲しだしてから4年。



「なあ翼・・蜜柑達元気かな」

今年の3月、可愛い後輩達がアリス学園を卒業した。

新しい生活の準備で今まで会えなかったが、来週4年ぶりに会うことになっている。



「元気に決まってんだろ・・特に蜜柑は」

「・・元気の塊みたいなやつだからな」



懐かしい。

そういえばこの桜並木は学園にあった道と似ているような・・。

彼女が蜜柑達のことをいきなり話に出したのも分かる気がした。





「そういえばお前が食事に誘うのって何か珍しいな」



桜を見上げて黙っていた美咲が突然口を開いた。

「え、ああ・・・まあな」

「・・・?」





美咲がまた桜を見上げると、翼はポケットの中に手をつっこんで中にある物に触れた。

ポケットに簡単に収まってしまうくらい小さな”それ”をぎゅっと握り締める。

4年間の同棲生活を変える、小さいけれど大きな役割を果たす物。



その時美咲が、あっ!と何か気付いたような声を上げ、驚いた翼がポケットから手を出した。

「翼、この道・・・・学園の道と似てるな!」



「気付くの遅っ」

何のことかと思ったら・・・驚かすなよ。



「何だよ翼!その言い方っ」

「はいはい、悪かったって」



その会話の後に長い沈黙。

翼は空を見上げた。

ピンク色の小さな点がどこかへ飛んでいく。





3歳の頃アリス学園に入学して、美咲と出会ってもう21年。

それからいつの間にか彼女が好きになって、片思いして、付き合って――。

こんなにも長い時間を目の前にいる彼女と過ごしてきた。



学園での日々、喜び、悲しみ。

その全てが今目の前にいる大切な彼女といる事で輝く。



その事に初めて気付いたのは何時のことだっただろうか。







また風が吹いて桜が散る。

薄ピンクの吹雪が起きる中、美咲は少し頬を赤らめてこう言った。





「あたしは・・翼に出逢えて良かったと思ってるよ」





その後恥ずかしそうに足元の桜の絨毯に視線をそらす美咲。

翼は呆気にとられていた。



「え・・それはつまり・・・その」



落ち着け、俺。

もう一度ポケットの中の物に触れる。



「だから!出逢ったのが翼で良かったっていうか・・」





――今言わなくて何時言うんだ?



そんな気がした。







(・・ったく計画完全に狂ったぞ)

本当は食事に誘って、綺麗な夜景の見えるレストランで・・というのを計画してたのに。

苦笑を浮かべつつポケットの中にある小さなケースを取り出す。





「美咲!」



こちらに視線を向けた美咲に覚悟を決めて。













よく考えれば桜並木の道でプロポーズって結構良いんじゃねーか?

桜が綺麗だし、第一俺達にレストランの夜景なんて似合わない。

こんな感じがちょうどいいよな。



「桜の絨毯と花吹雪で本当の結婚式みたいだな・・」



嬉し泣きしながらそう言う美咲の左手の薬指に、

太陽光で輝くそれを通す。





「だったら指輪交換の後は――」

「・・バッカ、何言ってんだ翼」



笑い合った後、美咲は静かに目を閉じた。





                         【END】

あとがき

未来小説!と聞いて思い浮かんだのが「プロポーズ」「結婚式」「子持ち」の3つでした。

悩んだ結果、今回はプロポーズでv

翼先輩はちょっとデートして(実はまだ昼間です)食事して・・そこで例の物を渡そうと考えていたらしいです。

でも美咲先輩に計画狂わされる翼先輩が書きたかった(笑

この小説は霖さんへ捧げます!素敵な一周年記念リクありがとうございました!






minamiさんのサイトの1周年企画に図々しくもリクエストさせて頂きました!
素敵な未来小説ありがとうございますっ^^
もう最初の同棲って言葉から萌えた(お前…
1周年おめでとうございます!!


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