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TELEPATHY

近頃は冬の寒さも影を潜め、日差しの暖かさを感じる日々が続いていた。
暑くも寒くもない気温が心地好い。
休日の昼下がりは課題でも出ていない限りは暇なものだ。
美咲もそれは変わらないようで、用もなく俺の部屋に上がり込んでは適当に置いてあった雑誌を読んでいる。
気を遣わない間柄でいられるのは良いけれど、何か進展出来ないものなのだろうか。
しかしそれ以上に想いを伝える事で今の関係が壊れることが恐ろしかった。
勿論俺達の間にあるのはそんなに脆いものではないと信じたいけれど。

「ねー翼、イルカって見たことある?」

読みかけた雑誌から目を離しあいつが言った。
不意に訊ねられた問いにはっと我に返った。
幼い頃の断片的な記憶を辿る。

「テレビとか本とかでならあるけど」

仮にあったとしてもそれは3歳で学園に来る前の出来事だ。
それ以前の少ない記憶には残っていない。
美咲はあるのかと訊き返した。

「あたしも無くて、見てみたいなって」
「イルカって音波?みたいなやつで遠くの仲間と交信するんだってさ」
「凄いよね。人間もあんな風に離れてても気持ち通わせられたらいいのに」

その表情はどこか寂しそうだった。
その顔を見ていると何だか堪らなくなって。
腕を伸ばしてそっと美咲を抱き寄せた。
彼女が驚いた様子でこちらを見る。
少し背の低い彼女の髪から香るシャンプーの匂いが鼻をくすぐる。
心臓の鼓動が次第に速度を増す。

「俺らだってそんなことしなくても気持ち通じるだろ」

自分がそう信じたかっただけなのだけれど。
ただ10年以上傍にいても伝わらないことがあるなら、俺が美咲に対し抱いている感情がそうであることは確かだ。
彼女の腕が背中に回るのを感じた。
温かくて、離れたくなくなって。

「学園を卒業したら、一緒に見に行こう」
「ああ、どこにでも連れてってやるよ」

俺はもう一度美咲を抱き締め直した。






なんか似たようなのばっかりですみません;
拍手のやつと気付いたらかなり似てた。
それにしても内容がうすいorz
もっと濃くできないものだろうか;


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