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跳ねる雨粒

柔かい日差しが差し込み、効きすぎたヒーターの暖気がゆるやかに思考を停止させていく。
どうやっても襲い来る睡魔には勝てない昼下がり。
書きかけのノートの文字達は形を失っていた。



目が覚めたのは午後の授業が終わった後のようだった。
事の次第を思い起こそうとまだはっきりとしない頭を働かせる。
窓の外に目を向けると、先刻まで日が差していた空はいつの間にか厚い雲に覆われていた。
予報では1日中晴れだって言ってたのに、などと考えながら曇天の空を軽く睨む。
傘は持ってきていなかったため降り出す前に寮へ帰らなければならない。
あたたかな空気に包まれ居心地の良い教室を出るのは億劫だったが、仕方がないと割り切って適当に荷物をまとめ立ち上がる。
扉を開け外へ出ると寒暖の差に思わず身震いがする。
校舎を出る頃には既にぽつりぽつりと雨が降り始めていた。

心持ち足早に寮へと急ぐ。 だが雨足は留まることを知らず見る間に勢いを増していく。
少し先に見える屋根の下で雨が弱まるのを待つことにした。



どれぐらいの時間ここにいたのか分からない。
ただ低下する周囲の気温とともに体温が徐々に奪われていくのだけが分かって。
芯から冷えきった両手に息を吐きかけてみるがそれは単なる気休めにしかならない。
今更動き出す気にもなれず、こんなことならあのまま教室にいればよかったかななんて思っていた。
視界に入るのは雨に濡れた風景でしかない。
切れかかった電灯は不規則に点滅している。
あたしはただただ意味もなくそれらを眺めることしかできなかった。

変わらない風景の中に人影を捉えたのはそれから幾許かしてのことだった。
その見慣れた姿は傘代わりに鞄を頭上に乗せ暫く前の自分と同じく雨に打たれながら走っている。

「つばさ!」

無意識に呼んだその名。
奴も気が付いたようで、少しだけ困ったような笑顔を浮かべこちらに向けて駆けてくる。

「酷い雨だなー、ったく」
「本当だよな。てかびっしょびしょじゃん、翼」
「さっき晴れてたからまさか降ってくると思わなくてさ」

きっとあたしと同じ理由で傘を持ってこなかったのだろう。
ただ、あたしよりも翼の方が雨に打たれた時間が長いことは確かで。
風邪を引かれると困るので鞄からタオルを探し出し翼に渡した。

「これで拭けよ。翼に風邪引かれるとこっちまで調子狂うからな」
「俺割と免疫力強い方だからだーいじょうぶ!美咲こそ風邪引くなよ」
「こんな時にまで強がるなアホ影」

翼はいつだって自分より他人想いだった。
要のときだってそうだ。
学園の意向には逆らえないと分かっていたのに連れ戻せなかったのは自らの所為にして。
左頬には消えない傷痕を残して。
きっとあいつだって翼にそんな思いをさせたかった訳じゃないのに。

物思いに耽っていると突然頬に温かな圧力を覚えた。
驚いてその正体を探せばそれは自販で買ったと思しきホットココアだった。

「寒いだろ、やるよ」
「あ、ありがと」

礼を言って受け取ったそれは冷えた両手をじわりと暖めていく。
缶を開け口に運ぶとココアの甘さとほろ苦さが口内に広がる。
体の芯まで温まるような感覚だった。

「あたしはもう充分。翼飲んでないんだろ」
「いいのか?これって間接…」
「あーそれ以上言うなはずいから!」

何と言えばいいか分からなくて頭がごちゃごちゃになる。
別に友達だからとかじゃなくて、翼だからいいというか。
自分が何を考えているのかすら分からなくなって乱暴にココアの缶を翼に押し付けた。

「俺は美咲なら構わねー」

そう言いココアを口にするその頬は照れているのか少し赤い。
見ればあたしまで顔が火照っていくのが分かって、誤魔化そうと笑ってみせた。






小説自体久しぶりに書きました。
文才のなさを痛感orz
しかも後半の方キャラの崩壊度が←
なんか間接キスさせたかっただけみたいになってますね;
まあ実際そうなんですが←
最後まで読んで下さった方おられたらありがとうございますっ!(土下座
あとなんか同盟用に書いたやつの使いまわしですみません←


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